「バケモノの子」見てきました。予習していなかったのもあり、かなり楽しめました。
久しぶりに渋谷に行きたくなった。
ケモノと言えば毛つながりという訳ではないのですが、今日は毛に関する記事を書きたいと思います。
3DCGでの髪の毛表現というのは、まだまだ難問な訳ですが、大別すると、
「短冊型」「ブロック型」「ファー」の3つの方法、もしくはこれらの合わせ技が主流と思われます。
■参考
https://howto.clip-studio.com/library/page/view/metasequoia_002_10_001
どれを選択するかは用途によっても変わってくるし、いわゆる完全解は無いと思いますが
どれもそれなりに手間がかかるものです。
このうち「短冊型」については、作り方によっては、
MODO、特に901では、非常に簡単に出来るようになってます。
以下の手順は、ほとんど自分用ですが、参考になればと思い、記録しておきます。
今回は、前回作った万力ガール2号(今命名した)に実験台になってもらおう。
1.リトポ機能で短冊の作成
まずは髪の毛の土台となる短冊を作ります。
今回は説明用のため、すべて長方形で作ります。
本来は位置合わせが結構面倒なのですが、MODOのリトポルーム(「トポ」タブ)で、かなり簡単に出来ます。
トポツールの使い方については、以下の公式サイトを参考。
ちょっと練習が要りますが、1時間も有れば慣れます。
この機能は、高解像メッシュのリトポロジーだけでなく、実は非常に汎用性の高い機能と思います。
では始めましょう。
髪の毛用の新規メッシュを用意し、こんな感じで…
どんどん張っていきます。
長髪の場合は、トポツールに加えて、通常のモデリングツールを使って垂らします。
最後に、もし短冊が頭皮にめりこんだ状態になった場合、外側に押し出します。
今回の例では、アクションセンターをアイテム中心にして、
(ポリゴンを非選択状態にして、アクションセンター「自動」でいいはず)
拡大し、少し外側に出します。
最後は、右側のような感じになるはず。
■注意1:この段階では、なるべくローポリが望ましいです。特に列数は2列位が良いと思います。
増やしすぎると制御しにくくなるし、後からいくらでも分割できます(しかもUVを保ったまま)。
■注意2:短冊は、アウターエッジを立てられるP-Sub(Shift+Tab)がお奨めです。
2.UV展開
今回の肝ですね。作った短冊をUV展開します。
まず、短冊を選択して、展開ツールを適用(Unwrap)。
次に、ヘアラインをゆがみなく適用するために、UV展開を矩形にする必要が有るのですが、
これが901で瞬時に出来るようになりました!
901以降の場合は、UV の矩形化(rectangle)を選んで適用。
一瞬でここまで。
801以前でも、UV整列ツールで地道に同じ事が出来ますが、ちょっと手間です。
次に、方向をそろえるため、UVパックしておきます。
あっという間にこんな感じ。本来は面倒なUV展開が、すがすがしく感じます。
3.テクスチャ作成
さて、最後にテクスチャですが、プロシージャルテクスチャを使ってみます。
画像を用意しないで済むメリットは大きいです。
短冊にマテリアルを割り当て、レイヤー追加で「ノイズ」を割り当てます。
今回は分かり易く、効果をバンプにしてみます。
そして、テクスチャロケータの「サイズ」で、
「X方向を極端に短く」「Y方向を極端に長く」します。Z方向は任意です。
先ほど作ったUVを割り当てておきます。
ベイクしてみると、内部的にはこんなテクスチャが張られているのが分かりますね。
前髪の垂れている箇所など、毛束を細くばらけさせたい個所には、
別のマテリアルを割り当てて、同じ要領で、ノイズテクスチャを「ステンシル」にしてみます。
で、こんな感じです。
あまり毛を細くするとノイジーになるので、レンダリング設定(アンチエイリアスなど)の
調整が必要になります。
慣れると、このレベルなら、全工程30分ぐらい。
もちろん、リアリティを追及していくと、もっと複雑な作りこみが必要ですが、
応用も利くので、選択肢の一つとして参考になればと思います。