月別アーカイブ: 2015年7月

MODOで髪の毛 – 短冊編

「バケモノの子」見てきました。予習していなかったのもあり、かなり楽しめました。
久しぶりに渋谷に行きたくなった。
ケモノと言えば毛つながりという訳ではないのですが、今日は毛に関する記事を書きたいと思います。


3DCGでの髪の毛表現というのは、まだまだ難問な訳ですが、大別すると、
「短冊型」「ブロック型」「ファー」の3つの方法、もしくはこれらの合わせ技が主流と思われます。

■参考
https://howto.clip-studio.com/library/page/view/metasequoia_002_10_001

どれを選択するかは用途によっても変わってくるし、いわゆる完全解は無いと思いますが
どれもそれなりに手間がかかるものです。

このうち「短冊型」については、作り方によっては、
MODO、特に901では、非常に簡単に出来るようになってます。
以下の手順は、ほとんど自分用ですが、参考になればと思い、記録しておきます。

今回は、前回作った万力ガール2号(今命名した)に実験台になってもらおう。

1.リトポ機能で短冊の作成

まずは髪の毛の土台となる短冊を作ります。
今回は説明用のため、すべて長方形で作ります。

本来は位置合わせが結構面倒なのですが、MODOのリトポルーム(「トポ」タブ)で、かなり簡単に出来ます。
トポツールの使い方については、以下の公式サイトを参考。
ちょっと練習が要りますが、1時間も有れば慣れます。

リトポロジの基本的な使い方

この機能は、高解像メッシュのリトポロジーだけでなく、実は非常に汎用性の高い機能と思います。

では始めましょう。
髪の毛用の新規メッシュを用意し、こんな感じで…

髪の毛の面張り開始

髪の毛の面張り開始

どんどん張っていきます。

こんな感じで張っていきます

こんな感じで張っていきます

長髪の場合は、トポツールに加えて、通常のモデリングツールを使って垂らします。

最後に、もし短冊が頭皮にめりこんだ状態になった場合、外側に押し出します。
今回の例では、アクションセンターをアイテム中心にして、
(ポリゴンを非選択状態にして、アクションセンター「自動」でいいはず)
拡大し、少し外側に出します。

頭皮をギリギリ覆うようにする

頭皮をギリギリ覆うようにする

最後は、右側のような感じになるはず。

■注意1:この段階では、なるべくローポリが望ましいです。特に列数は2列位が良いと思います。
    増やしすぎると制御しにくくなるし、後からいくらでも分割できます(しかもUVを保ったまま)。

■注意2:短冊は、アウターエッジを立てられるP-Sub(Shift+Tab)がお奨めです。

2.UV展開

今回の肝ですね。作った短冊をUV展開します。
まず、短冊を選択して、展開ツールを適用(Unwrap)。

展開(Unwrap)

展開(Unwrap)

次に、ヘアラインをゆがみなく適用するために、UV展開を矩形にする必要が有るのですが、
これが901で瞬時に出来るようになりました!

901以降の場合は、UV の矩形化(rectangle)を選んで適用。

UV矩形化(rectangle)

UV矩形化(rectangle)

一瞬でここまで。
801以前でも、UV整列ツールで地道に同じ事が出来ますが、ちょっと手間です。

rectangle適用後

rectangle適用後

次に、方向をそろえるため、UVパックしておきます。

UVパック

UVパック

パック適用後UV

パック適用後UV

あっという間にこんな感じ。本来は面倒なUV展開が、すがすがしく感じます。

UV完成

UV完成

3.テクスチャ作成

さて、最後にテクスチャですが、プロシージャルテクスチャを使ってみます。
画像を用意しないで済むメリットは大きいです。

短冊にマテリアルを割り当て、レイヤー追加で「ノイズ」を割り当てます。
今回は分かり易く、効果をバンプにしてみます。

マテリアル追加

マテリアル追加

そして、テクスチャロケータの「サイズ」で、
「X方向を極端に短く」「Y方向を極端に長く」します。Z方向は任意です。

テクスチャロケータ設定

テクスチャロケータ設定

先ほど作ったUVを割り当てておきます。
ベイクしてみると、内部的にはこんなテクスチャが張られているのが分かりますね。

できた(内部的な)テクスチャ

できた(内部的な)テクスチャ

前髪の垂れている箇所など、毛束を細くばらけさせたい個所には、
別のマテリアルを割り当てて、同じ要領で、ノイズテクスチャを「ステンシル」にしてみます。

で、こんな感じです。

結果

結果


あまり毛を細くするとノイジーになるので、レンダリング設定(アンチエイリアスなど)の
調整が必要になります。

慣れると、このレベルなら、全工程30分ぐらい。
もちろん、リアリティを追及していくと、もっと複雑な作りこみが必要ですが、
応用も利くので、選択肢の一つとして参考になればと思います。

顔学習

あっついですね。体が揮発しそうです。週末、外に出られなかった。
本記事はタイマー投稿の実験を兼ねてます。

しかし今夏は映画ラッシュがすごいですね。
まずは、ターミネータージェニシスを公開初日に見てきました!会社帰りの平日ナイターなので、結構すいてた。
う~ん面白かった。自分的にはアリな展開でした。1,2予習しておくと倍は楽しめますね。
リブート作品や、原作付きの映画は、元をなぞるよりも、ガラッと変わるのが好きな方です。
たとえ改悪だとしても、驚きや刺激が得られるので。
しかしターミネーターはネット広告にネタバレが含まれてて、嫌でも見てしまうのが罪深いですね。


最近また、顔の構造の勉強をしておりました。
やっぱりリアルな物の構造を理解してないと、デフォルメしたくても応用が利かないんですよね。
3Dだと、どうしても、ここどうなってるんだっけ?となってしまいます。

顔練習

顔練習

最近はZBrushなどのスカルプターの方々の作品を目にする事が多いですが、
歪み無い構造を見ると凄いなと思います。とんでもない観察と練習量なんだろう。

私は原点に立ち返って、デッサンの本とか読んでました。だいぶ理解が深まった気がする。
トポロジーはこう。まだこれからな感じですが。

顔トポロジー

顔トポロジー

ツールはMODOによるフルスクラッチで、標準のSDSです。1488ポリゴン、ALL□です。軽い。
顔のトポロジーの大まかな流れはこちら(▼)のサイトを何十回も見ました。
英語ですが、図だけでも言いたい事は伝わると思います。非常に有用なページです。

Guide to realistic Head Modeling by Thunder Cloud Studio

ただし、なるべくポリゴン数を抑えるため、細かいところは自己流です。

顔というのは、人間を識別する部位だけあって、
ほんの少しの差異が大きな違和感につながるので、微調整が非常に難しい。

逆に言うと、少し変えれば、別人が作れる訳です。
なので、どこかで気合を入れて、自分用のテンプレートを1つ作っておくのは
大きな意味が有ると考えます。

目、鼻、口、耳、どれも言わずもがな奥深いのですが、口角が意外と難しいんですよね……。
口角だけで2時間ぐらいかかった。

なんか口角がパキっと尖ってしまうなと思ってたら、
下くちびるの両端というのは、先端に比べてあまり突起していないのに初めて気付いた。
自分で触ってみると分かります。
分かりにくいですね。具体的にはこういう事が言いたいです(▼)。

口角

口角

モデリングだけでも海のように深いのですが、
このあとの質感作成がまた難しいです。引き続き訓練したいと思います。