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カレーを作ろう(ただしCGで) – その2 ライス1

あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします。
2016年の初投稿は、カレーへの挑戦の話。
MODOをご存じない方も、何となく雰囲気だけでも楽しんで頂ければと思います。


#前回の続きです。

 ※細かい説明は端折り、要点だけに絞ります。
  用語や手順を全部説明していると、かなりの量になり、情報密度が薄くなるため。
  不明な用語など出てきたら、Web検索等で調べて頂ければと思います。

まずは、ライスの部分から作ろうと思います。
理由は、途中で挫折しても、普通のご飯として流用出来るからです(汗)。

…と思って初めて見たものの、いきなり超難問です。
問題は幾つかありますが、大きく分けると以下の二つ。

問題1: 大量の米の塊をどう表現するか?

 色々実験してみたのですが、サーフィスパーティクルジェネレータ(Surface Particle Generator)を
 使ったパーティクルでの表現が、もっとも目的に近くなると判断しました。
 これは、メッシュの表面にパーティクルを散布する機能です。
 これを使って、米粒をリプリケータで複製します。

 メッシュを変形すると、パーティクルも追従します。
 米粒のモデリングも数種類で済み、差し替えも可能なので、変更にも強いです。

Suraface Particle Generator

Suraface Particle Generator

 今回、上記のベースメッシュを、3枚重ねにして使います。
 (パーティクル間の隙間が出来ないように。)

問題2: どうしたら炊けているように見えるか?

 「炊けたお米」の質感は難問です。地道なトライ&エラーを繰り返している所です。

 ライティング、シェーダー、マテリアル(特にSSS)、
 更にはPhotoshop等でのポストプロセス、どれが不十分でも、ご飯には見えませんでした。
 プラスチックにしか見えません(超キモい絵になるので注意)。特に、SSSは非常に重要です。

 目標は欧風カレーですが、米は、日本人に親しみのあるジャポニカ米にしましょう。
 お米のモデルと、SSS、サーフィスパーティクルジェネレータ、リプリケータの設定は以下の通り。

お米(ジャポニカ米)の設定

お米(ジャポニカ米)の設定

 ご飯は炊くと膨張するので、現実世界ではもう少し大き目かもしれませんが、
 お米全体を大き目にすると、SSSの結果が期待通りになりませんでした(原因は不明)。
 なので、いったん上記のサイズで進めます。

 ※サーフィスパーティクルジェネレータのお米の間隔は、3.3mm。

 ※また、お米の方向は、(掻き混ぜた後、膨張するので)ほぼ全てランダムに近いと仮定して、
 リプリケータのランダム角度を全方向90度にしてみました。

そんなこんなで、出来たのがこちら。いったん、ご飯茶碗に盛りつけてみました。

冷や飯1号

冷や飯1号

冷や飯ですね。ちょっと芯が残っていて、質感も十分ではないです。
次回、温かくしてみたいと思います。

欧風カレーの場合、ラグビーボール型に盛り付けるのをよく見かけますが、
これまたパーティクルの方向調整が難しそうです。
出来たら、ラグビーボール型にしてみたいと思います。

おまけ:サフランライス(もどき)
ジャポニカ米をインディカ米(細長い)に差し替え、盛り付けてみました。

サフランライス(?)1号

サフランライス(?)1号

という訳で今回はここまで。お目汚し失礼。次回に続きます。
カレーへの道は険しいです。