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短編RPG制作 – その4 システム – ステータス関連DB

先月の事ですが、スペインのノワール映画「マジカル・ガール」見てきました。
変わった映画が好きな方にはお奨めです。
独特の間もさることながら、シニカルなタイトルの意味に感心した。

最近では、漫画「僕だけがいない街」がそうでしたが、
漠然とした、或いは初めはよく分からないタイトルの意味が、
話が進むにつれ明確になっていく過程で得られるカタルシスは、非常に強烈です。


承前、ウディタ道のお話。
さて、ステータスをシンプルにするため、リファクタリングをしてみました。

まず、複数のデータベースにパラメータ(攻撃力等)がコピーされて混乱しやすいので、整理してみました。
ステータスを保持するDBは、基本的に5面あります。下表のような感じです。

#DB項目名DB種別・Noいつ
使う?
説明
1主人公ステータス可変0移動中装備や状態異常が加味されない、基本的状態。
レベルアップによる変動は加味される。
2主人公一時DB可変17移動中#1に装備や状態異常が加味されたもの。
ステータス表示画面に見えるのはこの項目。
3戦闘一時ステータス[基]
(基本攻撃力など)
可変10戦闘中戦闘時の基本的な状態。
戦闘開始時に、#1からコピーされる。
戦闘終了時に、(必要に応じ)#1に書き戻される。
4戦闘一時ステータス[基]
([一時]計算済み攻撃力など)
可変10戦闘中#3に装備や状態異常が加味されたもの。
戦闘処理では、基本的にこれが使用される。
5敵キャラ個体データユーザ9戦闘中戦闘開始時に、#3の敵用の領域にコピーされる。
敵キャラなので不変。

図示すると、こんな感じです(クリックで拡大)。
青の矢印が、攻撃力等のパラメータのコピーを表します。

ステータス管理DBの関係

ステータス管理DBの関係

※これに加え、武器や防具によるパラメータの増分を保持する領域や、
 細かい所では、レベルアップ時のステータスアップ表示用の一時領域が有ります。


さて、ここまで分かったので、DBの構成を変えてみました。
各種DBで重複したパラメータを、外出しにしました。
具体的には、こんな感じ(下図・クリックで拡大)。

例)
可変DBに新しいDBタイプ(ここでは「1:┣ [能力]基本値」)を追加して、
「0:主人公ステータス」の攻撃力などを、新しいDBタイプに移動します(下図)。

DB構成変更(例)

DB構成変更(例)

 【注意】今回は説明のために、新しいタイプを1番目に「挿入」しましたが、
   DBの構成を変えると、基本システム内の至る所に影響が有ります。
   心配なら末尾に追加した方が良いでしょう。慎重に。

…と、こういった作業を、全てのDBに対して行います。移動元のDBからは、当然ながら削除します。
 パラメータの順番・数はぴったりと一致させる事。
  ※ウディタで言う所のデータベースは、型のみを定義する概念はないため、
   各々のDBで実体の定義が必要になります。

で、ちょっと見通しが良くなっただけで、何が嬉しいの?と思われるかもしれませんが、
これにより、下のようなコードが可能になります。


【例】
 コモン122:X[移]一時ステ計算<初期化>(前の図の、#1→#2へのコピーに相当)
 を、ループで書き直してみた

コモン122:X[移]一時ステ計算 修正例

コモン122:X[移]一時ステ計算<初期化> 修正例

 ※ループ終了条件の通常変数 “STATUS_PARAM_NUM_MAX”は、
 システムの開始時に、

   ■DB読込(可変): V4[STATUS_PARAM_NUM_MAX] = 可変DB[タイプ┣[能力]基本値の内容数]

 と初期化してあります。


ここで重要なのは、右側はコードが短くなっている事ではなく、
個々のパラメータ(攻撃力など)に依存しない処理になっている事です。
つまり、メンテナンス・フリーということになります。
(仮に「運の良さ」など、パラメータが幾つ追加になっても、このコピー処理には手を加えなくて良い。
 もちろん、DB側のメンテは必要)

…と、これは一例で、こういった作業の繰り返しで、改造をしやすくしていきます。
闇雲に改造するより、最終品質が良くなると判断した次第です。
一般のソフトでも、データ構造次第で、驚くほど処理がシンプルになる事は珍しくないです。

ま、一番のメリットは、こういった調査の中で、頭の中が整理されていくという事なのかもしれません。
ではまた。続きます。道は長いです。

ミニオンズ

最近は2Dイラストを描く時は、3Dのためのスケッチがほとんどなのですが、
先月ミニオンズを見て以来、そればっかり描いてます。
気に入ったのが有ると、しばらくはそればっかり描き続ける傾向は20代からです。

3Dにするイラストは決まったので、
ボツ(=断念)にした絵をさらしておきますね。もったいないので。

ミニオンズ
全員集合。3Dにしたら、ぜったい完成しないのでボツ(苦笑

スカーレット
スカーレット。ノーダルシェーディングで、
スケスケドレスを表現したら面白いかなと思ったのですが、単純すぎ、ボツ

ボブ&ティム
ボブ&ティム。ファーの練習に良いかなと思いましたが。単純すぎ


ミニオンズは、ストーリーは至って単純で、整合性もなんも無いですが、
また見たくなってしまう。魅力のある映画だったと思う。

同じフランス人監督の怪盗グルーシリーズもそうですが、
キャラクターと舞台装置で惹きつけるのが得意ですよね。
60sアメリカの雰囲気が素晴らしかった。

最近ビッグアイズも見たのですが、こちらも50~60sアメリカが舞台で、
ポップアート業界のスキャンダルを描いたものでした。これも面白かったです。

150315

またお久しぶりになってしまいました。
年度末は色々バタバタしますね。4月も忙しそうで恐々としております。
仕事以外にも、人間ドックと、情報処理試験(エンベデッドね)も申し込んでしまった。


MODO801の新機能の、ノーダルシェーディングを今さらながら研究中です。

ノーダルシェーディング実験

ノーダルシェーディング実験

若干敷居は高いですが、使い方によっては、きっと面白い表現が出来そうだと感じました。
従来のシェーダーツリーに取って代わるものではなく、
絵作りの選択肢の一つとして考えるのが良いですね。
具体的にどんな絵が出来るか、思いついてないのですが、もっと色々試してみたいと思います。


最近、Unreal Engine無料化や、Unity5のリリースと、ゲームエンジン界隈がすごい賑やかですね。
Unreal Engineはすごく面白そうなのですが、自分はちょっと手を広げすぎなので、
当分は見る専になりたいと思います。
今はUnity5の新機能と、uGUIを研究中。当分遊べそうだ。

ちょっとした成果をお披露目するのにtwitterは最適なんですよね。
今のところ全然活用できてないので、もっと活用して行こうと思います。


■最近見た映画
「アイ・オリジンズ」

生まれ変わり(輪廻転生)をテーマにした、非常に美しい映画でした。
純粋にラブストーリーとしても面白いのですが、
虹彩認証という技術によって、科学と哲学が漸近していくという
アプローチがすごく面白かった。
オンデマンド(iTunes)でレンタルしましたが、買ってもよいかな。

ところで、私は特定の宗教信者ではないのですが、
哲学者・指導者としてのブッダには非常に興味が有りまして、
佐々木閑氏・中村元氏をはじめ幾つかの書籍を読んでおります。
手塚治虫のブッダ、聖☆おにいさんも外せません。
(最終目標は、アビダルマ・コーシャの理解。今は全然!無理!)

語り始めると、もの凄~く長くなってしまうので、
具体的には別の機会にしたいですが、「生まれ変わり」について簡単に書いておきたいと思います。

映画や小説では、生まれ変わりというのは、非常にハッピーな
扱いを受けることが多いですが、実は純粋仏教では、束縛であり、苦しみそのものなんですよね。

輪廻から逃れ(解脱)、二度と生まれ変わらないようになる事こそが、
涅槃(=ニルヴァーナ)という考えですね。
もし自分が仏教を下地に物語を考えるとしたら、
そのあたりを掘り下げ、二度と生まれ変わらない事に帰結する話が
良いなと思います。

日本で浸透している仏教は大乗仏教なのと、
イケイケなインド神話(シヴァとかヴィシュヌとかがガチバトルするような)が人気なので、
仏像やファンタジーなイメージが強いと思いますが、
ここでいう仏教は、その大元になった、原始仏教のほうです。
神話や宗教ではなく、行動論とか哲学ですね。
もちろんインド神話も大好きですが、ちょっとベクトルが違いますね。

ではまた。

ベイマ~ックス

年の瀬の嵐も過ぎ去りました。いかがお過ごしでしょうか。

ベイマックス観てきました。
いや~面白かったです。感想は後半で述べるとして、
記念にベイマックスをちょろっと30分で作ってみよう!

……と思ったが甘かったです。
キャラ弁は楽勝との事ですが、モデリングは意外と手こずりました。

こんにちは。私は誰ですか?

こんにちは。私は誰ですか?

どこが困ったかというと、目です。

ポリゴンモデリング経験者はご存知と思いますが、
モデルに丸い穴を綺麗にあけるというのは、そうそう簡単じゃないんですよね。
まして鈴みたいに繋がってると結構つらいです。

ちょっと頭を絞ったところ、SDSでは、正N角形の穴は、正円に極めて近くなる性質があったはず。(もちろん三角形は除きます。)

そこで別メッシュで正12角形を作って、形を崩さないように顔に縫合し、
その後、その12角形を削除して穴をあけました。

意外と難しかったベイマックスの目

意外と難しかったベイマックスの目

もっとスマートなやり方が有りそうな気もしますが、この方法も、そんなに大変ではないです。
MODOだとperfectCircleというスクリプトも有りますね。

SDSの性質については、このチュートリアルビデオ(有料)がすごく参考になります。私は何度か繰り返しました。

【mdoo実践チュートリアル家具編】
http://modogroup.jp/modo/training_materials/jissen_chair

キャンペーン中で安い事ですし、ご興味のある方には、ぜひお勧めします。

—–
ベイマックス感想ですが、
少年心を呼び起こす、本当にいいアクション映画でした。
天才が主人公なので、感情移入できるか心配でしたが、そんな事はなかったですね。

具体的に書くとねたばれになるので伏せますが、
面白いな~と思ったのは、ヒロは天才だが、タダシはそうでもないという設定ですね。
(よくあるのは、逆に、亡くなる方が天才という設定かなと思います。)

マイクロボットのような完璧なものと違って
ベイマックスは試行錯誤の産物で、命令に忠実だが、不完全であり
タダシの人間味を色濃く受け継いでいます。

天才肌のヒロが、不完全なベイマックスや仲間との交流の中で
だんだんと変わっていく様子が見てとれるのが面白かった。

ヒロは才能では劣るはずの兄を、一貫して尊敬していたのも良かったです。

ちょっと不可解だったのは、タダシの死の理由についてと、
宿敵(カブキマン)のその後ですね。もうちょっとフォローが有ってもよかったかなと思います。

CGについてはマイクロボットがやっぱり印象的でした。
後で調べたら、数年がかりで、専用のレンダラーを作ったのだとか。

【Hyperion(ハイぺリオン)を参照】
http://www.fastcocreate.com/3037877/the-monster-supercomputing-achievement-that-lights-up-disneys-big-hero-6

(私は映画鑑賞時、帰ったらMODOのパーティクルアニメーションで
 真似しよーと思ってました。無知とは恐ろしいものです。)

—–

ではまた。今年もあと4日ですが、あと1~2回更新出来たら良いですね。

屋内カットシーン、映画の話

少々間が開いてしまいました。週1回は更新したいと思っているのですが。


前々から勉強しなきゃと思っていたのですが、最近は、屋内シーンの勉強をしておりました。
というわけで、ゲーム用アセットとして作成中の、教室シーンから抜粋。
classroom

classroom


一応、日本の学校教室のつもり…。

詳しく説明すると非常に長くなってしまうので端折りますが、
屋内のシーンのレンダリングは、そうそう簡単ではなく、
行き当たりばったりでやってると、ノイズだらけになってしまうのですね。

CGでの間接光の性質について、ある程度、体系的に勉強する必要がありますが、
これが非常に奥深く、きちんと仕上げるにには、多くの試行錯誤と、経験が必要になります。

というわけで、映画やCGアニメなどで屋内シーンが出てきたら、
達人たちの試行錯誤の結晶だと思って、じっくり見るようにしたい。


最近見た映画:
 ■最強のふたり(公式サイト
  前々から気になっていたのですが、ようやく見ることが出来ました。
  実話を基にした、新しい形の友情物語で、
  「笑いあり、涙あり」というのを、ここまで体現した映画は初めて見ました。
  笑いも涙も超一流で、本当に素晴らしかったです。
  音楽演出(クラシックとディスコミュージックの使い方)も大変効果的で、
  何回でも見たい映画です。
  日本公開されたフランス映画で「アメリ」を超えて1位になったとの事ですが、
  これなら納得いきますね。
  是非とも多くの方に見て頂きたいです。
  しかし、このドリス青年は、お笑いでも食べていけるんじゃないだろうか。

  iTunesのオンデマンドでレンタルしましたが、セル版が出たら、是非購入したいです。


最近、動画も勉強してまして、PVも幾つも見ているのですが
ビョークの”All is Full of Love”のPVはいつ見ても素晴らしいです。
こんな技術と発想があったら、人生楽しいだろうなと思います。

クリス・カニンガム監督は、デビッドフィンチャー(「セブン」の)に師事していたとの事。納得ですね。
更に驚きなのは、これが1999年の作品だという事ですね。新作だと言っても信じてしまいます。

それでは。
次回はもっと早く更新したいです。